今月の本棚

その時に、誰に聞けばいいか分からない
「あの値段」の数々

「世渡りのお値段」

秘情報取材班編著 
青春出版社(254p)1997.9.1 
476 円

コンビニでおなじみ、文庫スタイルの青春出版のお手軽アンソロジー本。最近では書き下ろしものも登場し、隠れたベストセラーとなっているが、すぐ売り切れてしまうのと、コンビニの差別化戦略で置いていない所が増えたのには困る。本書は「夜逃げ料金20万円」といった知られざる世間相場を網羅して紹介しており、他のいわゆる値段本よりユニークな内容となっている。

 1M級の核兵器でも爆心地から2.6kキロ以遠なら耐えられる核シェルターが5、6人用で980万円、破産予備者150万人と言われるなかで自己破産の条件が「借金300万円以上でかつ年収の半分以上、それがギャンブルなど遊び費用ではないこと」、また弁護士への依頼費用が30〜50万円など丁寧。トカレフの値段が1丁15万円でお金に困った暴力団から入手可能、また援助交際や離婚慰謝料、冠婚葬祭の折の最近の相場など、危ないものから役に立つものまでオールラウンドだ。 

 雑誌や新聞の世界でもケース露出がほとんどない鉄道自殺や、山事故での想像以上にかかる費用など、物知り顔ができる話題も豊富である。ダイアナ元妃で集中非難を浴びているパパラッチ、こうした写真売値の例もあり、スクープ物、事故潜水艦と同型の内部写真など20〜50万期待できるそうだ。(修)