絹本着色 一幅 署名「九十老人卍筆」 印章「百」 95.8×36.2cm
雄大な富士に、黒雲とともに龍が昇天する図柄である。 全体に墨絵の筆致で描かれ、北斎独特の幾何学的山容の富士、雲を呼び昇天する龍に自らをなぞらえる、北斎最晩年の心象と見ることも可能な一幅である。 この幅、落款に出生の宝暦10年と共に嘉永二己酉年正月辰ノ日と記されており、絶筆に極めて近い制作になるものとしても注目される。
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