紙本着色 一面
署名「前北斎卍筆」 印章「葛し可」
27.2×44.8cm
すべてを埋め尽くす雪の中に、小さな生命が息づく。餌を求めて飛来した一羽の鶺鴒(せきれい)。鉄線描の尾羽の強さ、腹部のほのかなぬくもりは、北斎が寒 中の生き物に感じた強烈な生命力である。 猛禽を写すには、睥睨(へいげい)する様こそ似つかわしいが、北斎は本図では、雪中に舞い降りた小禽の機敏な動きの瞬間を描いている。鋭敏な観察力、的確な表現力などに感服させられる。
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