- 注1 ゴルゴ13
- クールな、謎の東洋人の殺し屋誕生。現在も連載が続いているのだから驚きだ。
*ほかに、滝田ゆう「寺島町奇譚」、真崎守「はみだし野郎の子守歌」、赤塚不二夫「もーれつア太郎」、望月三起也「ワイルド7」、園山俊二「花の係長」、手塚治虫「火の鳥・黎明編」や、佐々木マキの難解マンガなども。
-
-
-
-
-
-
- 注2 状況劇場
- 唐十郎率いる状況劇場は、「腰巻お仙・振袖火事の巻」の公演を、新宿中央公園において無許可で強行。唐十郎ら3人が逮捕。一方、寺山修司主宰の「天井桟敷」は、3/15、東京・元麻布に地下劇場「天井桟敷館」を開設し、「時代はサーカスの象にのって」を上演。アングラ演劇の双璧に。
-
-
-
-
-
-
-
- 注3 東大安田講堂
- 医学部問題に端を発した東大闘争は、安田講堂を占拠した全共闘系学生と8,500人に及ぶ機動隊の激突でクライマックスを迎えた。18日午前7時から19日午後5時56分まで続いた攻防は、逐一テレビで放映され、テレビにくぎづけに。一方、お茶の水周辺では、闘争支援の学生らが道路をバリケード封鎖〈神田カルチェラタン闘争〉。翌日、東京大学入試の中止を正式決定。
-
-
-
-
-
-
-
- 注4 夕刊フジ
- キャッチフレーズは「オレンジ色の憎い奴」。タブロイド版のビジネスマン向け夕刊紙。軽い読み物やニュースをコンパクトに編集して人気に。
*この年、小学館から「週刊ポスト」が創刊(8/22)され、衝撃の告白シリーズが話題を呼んだ。
*ほかに、「諸君」文芸春秋、「海」中央公論社、隔週刊「少年チャンピオン」秋田書店、「日経ビジネス」など。
-
-
-
-
-
-
- 注5 大鵬
- 春場所2日目の戸田戦に敗れ、連勝は45でストップ。このとき、行司の判定は微妙で、翌日の新聞は大鵬有利の写真を掲載。翌夏場所から、勝負判定にビデオテープを導入することに。7月には、柏戸が引退し、柏鵬時代に終止符が打たれた。
*初:大鵬(横綱)/春:琴桜(大関)/夏:大鵬(横綱)/名古屋:清国(大関)/秋:玉乃島(大関)/九州:北の富士(大関)
-
-
-
-
-
-
- 注6 永山則夫
- 前年、東京、京都、函館、名古屋で4人が射殺された事件の容疑者として、永山則夫が東京・千駄ヶ谷で逮捕された。その後、拘置所内で「無知の涙」を著すなど執筆活動に専念し、文壇の一部でも高く評価されていたが、97年8月1日に死刑を執行された。48歳、合掌。
-
-
-
-
-
-
- 注7 新宿西口広場
- 5/14、警視庁は、2月から新宿西口広場で毎週土曜日に開催されてきた、新宿フォークゲリラによる反戦フォーク集会を、「通行の邪魔になる」として禁止。この日、これに抗議して7,000人が参集したが、機動隊にガス弾で排除された。その後も、何度か抗議集会が開かれ、警視庁は「西口広場は通路である」と規定して、道路交通法違反で対抗。
-
-
-
-
-
- 注8 赤頭巾ちゃん気をつけて
- 「女の子にもマケズ、ゲバルトにもマケズ、男の子いかに生くべきか」。饒舌な文体で、山の手に住む若者の風俗と心理、青春の気負いと困惑を描き、ベストセラーに。
*また、羽仁五郎「都市の論理」が全共闘世代のバイブルとして読まれ、デボラ「水平思考の世界」、梅棹忠夫「知的生産の技術」なども話題に。ほかに、甲乙丙丁(中野重治)、親鸞(丹羽文雄)、月の光(井上靖)、春の雪(三島由紀夫)、坂の上の雲(司馬遼太郎)、創価学会を切る(藤原弘達)など。
*芥川賞
上:赤頭巾ちゃん気をつけて(庄司 薫)、深い河(田久保英夫)/下:アカシヤの大連(清岡卓行)
*直木賞
上:戦いすんで日が暮れて(佐藤愛子)/下:なし
-
-
-
-
- 注9 アポロ11号
- 米国時間21日午前10時56分20秒、アームストロング船長と、オルドリン飛行士が、月面に人類初の足跡を残した。その様子を、NHKがヒューストン経由で宇宙中継し、衛星と基地の交信内容を同時通訳する西山千が脚光を浴びた。
-
-
-
-
-
-
- 注10 ホンダドリームCB750
- 750ccで4気筒、前輪ディスクブレーキという仕様が人気を呼び、「ナナハン」時代の幕が開いた。翌年、白バイにも採用。
*ほぼ同時期に、50ccの「ダックス・ホンダ」も発売された。
-
-
-
-
-
- 注11 ウッドストック
- ニューヨーク郊外のウッドストックで、3日間にわたりロックフェスティバルが開催された。出演者は、ジョン・セバスチャン、キャンド・ヒート、ジョーン・バエズ、CSN&Y、ザ・フー、ジョー・コッカー、ジェファーソン・エアプレイン、サンタナ、ジミ・ヘンドリックスら多数。聴衆約40万人が集まった。
-
-
-
-
- 注12 太田孝司
- 夏の甲子園決勝は、三沢と松山商の対決となり、4時間16分の激闘の末、0ー0のまま延長16回で引き分け。翌19日の再試合では、4ー2で松山商が優勝。三沢の投手・太田孝司が悲劇のヒーローに。
春:三重(三重)12ー0堀越(東京)
夏:松山商(愛媛)4ー2三沢(青森)
-
-
-
-
-
-
- 注13 男はつらいよ
- テレビの人気シリーズ「男はつらいよ」が初の映画化(監督:山田洋次、出演:渥美清、倍賞千恵子、前田吟、森川信ら)。初代マドンナは、帝釈天の御前様の娘に扮した光本幸子。11月には、第2作「続男はつらいよ」も公開(マドンナは佐藤オリエ)。
*ほかに、心中天網島(篠田正浩)、少年(大島渚)、私が棄てた女(浦山桐郎)など。
-
-
-
-
-
- 注14 藤圭子
- 彼女の登場で、演歌ではなく「怨歌」「艶歌」などの言葉が生まれた。
*内山田洋とクール・ファイブ「長崎は今日も雨だった」、青江三奈「池袋の夜」、森進一「港町ブルース」など、いわゆるご当地ソングが花盛り。
*この年、カルメン・マキ「時には母のない子のように」(2月)、ピーター「夜と朝のあいだに」(10月)、皆川おさむ「黒猫のタンゴ」(11月)など、異色歌手の歌がヒット。ほかに、和田アキ子「どしゃぶりの雨の中で」、由紀さおり「夜明けのスキャット」、奥村チヨ「恋の奴隷」、森山良子「禁じられた恋」、高田恭子「みんな夢の中」、千賀かほる「真夜中のギター」、アン真理子「悲しみは駈け足でやってくる」、ベッツイ&クリス「白い色は恋人の色」、復活・弘田三枝子の「人形の家」など女性ボーカルが活躍。レコード大賞は佐良直美「いいじゃないの幸せならば」。
-
-
-
-
- 注15 岡林信康
- 「山谷ブルース」でデビュー以後、貧困・戦争などをテーマに歌い続け、「フォークの神様」と呼ばれたが、新宿フォークゲリラなどから「コマーシャリズムに毒されている」などの批判を受け、この日の東京労音公演を前に蒸発。
*フォークではこの年、新谷のり子「フランシーヌの場合」、シューベルツ「風」、ビリー・バンバン「白いブランコ」、トワ・エ・モア「ある日突然」、長谷川きよし「別れのサンバ」などがヒット。
-
-
-
-
-
-
- 注16 巨泉・前武ゲバゲバ90分
- 全体がスポットCM的なつくりのナンセンスコントで構成されたユニークな番組。
*この年、「コント55号!裏番組をブッ飛ばせ!!」(NTV・4/27〜)、ザ・ドリフターズ「8時だよ!全員集合」(TBS・10/4〜)など、いわゆる低俗番組や、「サインはV」「アタックNo.1」「柔道一直線」などのスポ根ものも。ほかに、「ヤングおー! おー!」「サザエさん」「ひみつのアッコちゃん」「ムーミン」など。
-
-
-
-
-
-
- 注17 真夜中のカーボーイ
- テキサスから上京してきた男を通して、ニューヨーク社会の病根を描いたニューシネマ(ジョン・シュレシンジャー監督)。アカデミー賞の作品賞・監督賞を受賞。
*ほかに、アポロンの地獄(ピエル・パオロ・パゾリーニ)、if もしも…(リンゼイ・アンダーソン)、ローズマリーの赤ちゃん(ロマン・ポランスキー)、泳ぐひと(フランク・ペリー)、ワイルド・バンチ(サム・ペキンパー)など。
-
-
-
-
-
-
- 注18 金田正一
- シーズン最終戦の中日戦に5回表から登板し、奪三振4、被安打1の好投で400勝を達成。
*西鉄ライオンズの永易将之投手が、公式戦での八百長行為で解雇、11/28、球界からの永久追放処分に
*セ:巨人(川上哲治)/パ:阪急(西本幸雄)/日本シリーズ:巨人(川上哲治)=巨人V5
-
-
-
-
-
- 注19 週刊アンポ
- 「安保フンサイへ・人間の渦巻を!!」をキャッチフレーズに、読者がつくる、目次のないユニークな週刊誌を創刊。編集・発行人は小田実、表紙デザインは横尾忠則。定価100円。古本市場では、創刊号が1,500円とか。
-
-
-
-
-
-
-
- 注20 クオーツ腕時計
- 世界初の水晶発振によるクオーツ腕時計「セイコー35SQアストロン」は、日差0.2秒以内という驚異的な正確さで話題を呼んだ。
*この年は、パンティストッキング(厚木ナイロン)、エリートS(パイロット万年筆)、サッポロ・ライト(サッポロビール)、ブルーレット(小林製薬)など、新商品の発売が目立った。
-
-
-
-
-
-
-
- *CM
愛のスカイライン/痛快丸かじり(明治チョコレート)/かかったかな(コンタック)/クリープを入れないコーヒーなんて(芦田伸介)/ハッパふみふみ(大橋巨泉・パイロット万年筆)/Oh!モーレツ(小川ローザ・丸善石油〈現・コスモ石油〉)
- *ことば
アッと驚くタメゴロー/ニャロメ/やったぜ、ベイビー/しこしこ/疎外/フォークゲリラ/心情三派/情報化社会/教育ママ
- *物価
とうふ30円/コーヒー100円/カレーライス128円/セブンスター100円/新聞(月)750円
- ●参考資料
「20世紀年表」毎日新聞社、「日録20世紀」講談社、「昭和・平成現代史年表」小学館、「現代風俗史年表」河出書房新社
-
-
-
-
-
-
-
-
|