ラーメン鑑定書【米塚 功】

ラーメン鑑定書

その踏破エネルギーに感心感心


書籍名 ラーメン鑑定書
著者名 米塚 功
出版社 読売新聞社(198p)
発刊日 1998.2.13
希望小売価格 -
書評日等 -
ラーメン鑑定書

困った時の神頼みはラーメンとイタ飯特集と決まっているが、これは本格書、いや専門書といっていい。不思議に読売はラーメンの本好きだが、いつも視点はユニークで、この書も調理法を克明に取材してある点、また、歯に衣着せぬ店の評価など驚異の作品とまでいえる。

著者は大阪にて居酒屋経営、建築会社営業、下着販売店勤務を経て、新宿で喜多方ラーメンに出会い魅せられて一念発起、全踏破を決断し挙行、将来は同じ道を歩みたいという。約2年のカプセルホテルへ泊まったり、その文字通りの貧乏旅行、ひたすらラーメンで生き続けた記録は今やっと刊行の形で報われた。

独自の鑑定は現状を的確に反映
スープ・麺の順で5点法の各店毎のコメント付きの評価はきわめてシビア。有名店、グルメ評論家にとらわれない辛口であり、かつ具体的な改良点まで指摘付きである。平均点は3を割っていることでそれは知れようし、類書にない「臭み」の表現などユニークでもある。鑑定表は、エリア毎に総評一覧がまず有り、ついでアイウエオ順に各店が紹介される。

著者は調味料には必ずしも反対せず5ランクの超一流店には「調味料を化けさせる」とあり、1の並ラーメンには「調味料臭い」とあ。5ー5の満点は有名所で「恵比寿ラーメン」「土佐っこ」ほかわずか6店、1が付いた有名どころは、例えば1ー2の築地「井上」は「本当にがっかりの味」、かつての「ホープ軒」(千駄ヶ谷)も「訳がわからない」と酷評、一方、評論家には酷評の「直久」(銀座)は3ー3で途切れない客の評価が反映されている。

分類に新工夫
地方ラーメンを辿る旅行記はビビッドで土地柄も良く出ており、必死に調理法を探る姿も真摯さが伝わる。著者独特の名称付け「こってりラーメン」が示す様に、各種タイプ分け、一例を上げれば「香月タイプ(短中、蓋なし、中火、透明)」はこの苦心の産物である。(修)

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