北斎館

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北斎館の概要

江戸庶民の技「浮世絵」に根ざしながら、葛飾北斎は時代を超え、国境を超えて、いまや「世界の文化巨匠」として、その業績を高く評価されています。その北斎が晩年に長く逗留した町が、ここ信州・小布施町です。

1760年(宝暦10年)に江戸本所に生まれ、1849年(嘉永2年)に江戸浅草に没した北斎は、宗理、北斎辰政と名乗る30代後半に、まず美人風俗絵師として頭角を現しました。

以後、北斎は、40代から50代にかけて、読本(よみほん)挿絵、絵手本(えでほん)に新風を巻き起こし、70代にいたり傑作「富獄三十六景」を世に送り出しました。浮世絵の世界に風景画という新たな分野が確立されたのです。

晩年の北斎は、出版界での好評をよそに、自己の絵画姿勢を肉筆画の世界に向けてゆきます。80代にいたり、小布施の豪商・高井鴻山の庇護のもと、北斎画業の集大成ともいうべき天井絵の大画を描き遺します。

北斎館は、これらの天井絵がはめ込まれた2基の祭屋台と、長く大切に受け継がれた肉筆画を収蔵すべく、1976年(昭和51年)に開館いたしました。1991年(平成3年)には増改築を果たし、新たな装いのもとに、肉筆画、版本を中心とした、北斎の画業をご覧いただけることになりました。

 

展示内容

屋台展示──この展示室では、北斎の天井絵をはめこんだ2基の祭屋台(長野県宝指定)を収蔵展示しています。東町祭屋台の「龍・鳳凰」は北斎85歳のとき半年かけて制作されたもの。上町祭屋台の天井絵には、怒涛図2面「男浪・女浪」が描かれています。
また、上町祭屋台には、中国の小説「水滸伝」に材をとり、北斎のデザインと監督により彫り上がった「皇孫勝」と「応龍」の木彫が施されています。

肉筆展示──和風の趣の展示空間に、掛軸、額装、屏風、画帖など北斎肉筆画や画稿、書簡などを展示しています。
北斎が小布施で描き、また鴻山らによって小布施にもたらされた北斎肉筆画は、明治期にかなりの作品が海外へわたったとされていますが、近年、「菊図」「生首」などが、ヨーロッパから日本へ、そして当館へと戻ってきました。
ほかにも、「柳下傘持美人」「七小町」「白拍子」など、北斎「青・壮・老」時代の肉筆画多数をご覧いただけます。

版本企画展示──北斎は出版の世界でも、時代を切り開く絵師でした。版本の分野では「狂歌絵本」「読本」「絵手本・絵本」など、どれをとっても、それだけで名を後世に遺す質の高さを誇っています。
当館の版本企画展示では、春原コレクションをベースにした、北斎の多様な作品をご覧いただけます。

映像展示──マルチスライドで「画狂−北斎と肉筆画」(上映時間18分)と「小布施の北斎」(同14分)の2本を交互に上映しています。幅7メートルのスクリーンに、迫力と動きのある画面が展開される60席のミニシアターです。

・入場料/大人500円、小中高生300円(20人以上団体扱い10%割引)
・開館/4月〜10月は午前9時から午後5時、11月〜3月は午前9時半から午後4時半。12/31、1/1は休館
●長野県小布施町小布施485/026-247-5206

 

アクセス(ルートマップを表示

・列車
東京(北陸新幹線「あさま」)〜長野:最短1時間19分
長野(長野電鉄)〜小布施:特急20分、普通30分。小布施駅下車、徒歩10分

・マイカー
国道18号線「浅野南」信号から約10分、上信越自動車道「須坂長野東I.C」から約20分、「中野I.C」から約10分


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