1970年【インターネットで時代を読む】



1970年【インターネットで時代を読む】

1970年 1970年 1971年

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1970年のトピックス

1月 少年マガジン」150万5200部発行
書店ではなく、キヨスクや薬屋のスタンドなどで雑誌を買う習慣が定着。「少年マガジン」や「少年サンデー」など少年誌が、大学生や社会人の読者を獲得して、大幅に部数を伸ばした。
*谷岡ヤスジの漫画に「鼻血ブー」や「アサー」が登場。
*単行本では白土三平の幻の名作「忍者武芸帳」(小学館)や、みつはしちかこ「小さな恋の物語」(立風書房)が話題に。
*林静一「赤色エレジー」/水島新司「男どアホウ甲子園」/ジョージ秋山「アシュラ」「銭ゲバ」/篠原とおる「さそり」/吉沢やすみ「ド根性ガエル」/山上たつひこ「光る風」/さいとうたかお「影狩り」/バロン吉元「柔侠伝」/とりいかずよし「トイレット博士」/みなもと太郎「ホモホモ7只今参上」/赤瀬川原平「野次馬画報」/小島剛夕「子連れ狼」/古谷三敏「ダメおやじ」
1月20日 東京日本橋人形町の寄席「末広亭」、100年の歴史に幕
1月28日 北の富士、玉乃島、横綱に同時昇進
大関北の富士が初場所で優勝し、場所後、玉の海とともに横綱に同時昇進し、北玉時代の幕が開いた。
*初:北の富士(大関)/春:大鵬(横綱)/夏:北の富士(横綱)/名古屋:北の富士(横綱)/秋:玉の海(横綱)/九州:玉の海(横綱)
2月4日 TBS「時間ですよ」が放映開始
銭湯が舞台だけに、毎回、女湯のシーンが登場し話題を呼んだが、裸だけでなく、ドラマ自体の面白さや、挿入歌のヒットなどで人気が定着した。
永井豪原作の漫画「ハレンチ学園」が、東京12チャンネル(当時)でドラマ化(児島みゆき主演)され、スカートめくりが流行した。
日本テレビは、低俗と批判されていた「コント55号の野球ケン!!」の打ち切りを決定。(2.27)*ほかに「細うで繁盛記」「おさな妻」「だいこの花」「大岡越前」「遠山の金さん」「大江戸捜査網」「どっきりカメラ」「ラブラブショー」など。*アニメでは「あしたのジョー」「いなかっぺ大将」「みなし子ハッチ」。
2月11日 初の国産人工衛星「おおすみ」を打ち上げ
3月 中山律子、第1回全日本女子プロ・ボウリング選手権で優勝
3月3日 an・an」創刊
見る雑誌のパイオニア「an・an」が創刊。仏の女性週刊誌「ELLE」と提携した平凡出版の「an・an ELLE JAPON」が、新機軸の女性週刊誌として話題に。
*「ai」「少女コミック」「週刊アルファ」(大世界百科)創刊
3月10日 季刊「人間として」創刊
小田実、開高健、柴田翔、高橋和巳、真継伸彦の編集による季刊雑誌が創刊される。
*井上光晴編集の「辺境」や、「昴」「現代と思想」創刊
*3.25石牟礼道子、「苦海浄土」による第1回大宅壮一賞の受賞を辞退
*塩月弥栄子「冠婚葬祭入門」、曾野綾子「誰れのために愛するか」がベストセラーに。ほかに、石原慎太郎「スパルタ教育」、沼正三「家畜人ヤプー」、江藤淳「漱石とその時代」、三島由紀夫「天人五衰」、大江健三郎「沖縄ノート」など。
*芥川賞上:プレオー8の夜明け(古山高麗雄)、無明長夜(吉田知子)/下:杳子(古井由吉)
*直木賞上:軍旗はためく下に(結城昌治)、光と影(渡辺淳一)/下:長良川(豊田穣)
3月11日 ジャンボジェット「ボーイング747」お目見え
3.14日 万国博覧会 大阪・千里丘陵で日本万国博覧会開催(~9.13)
テーマは「人類の進歩と調和」。中央のシンボルタワーは、岡本太郎作の「太陽の塔」。アメリカ館には「月の石」が展示され、長蛇の列が出来た。万博会場で、ケンタッキー・フライドチキンが日本に初めて登場した。総入場者数は6,422万人。
3.17日 国会でプロ野球の「黒い霧」を追求
前年に続きプロ野球の黒い霧事件が拡大。西鉄の池永正明、与田順欣、益田昭雄が永久追放に。
*打撃の職人・山内一弘(ロッテ)と下手投げのエース・杉浦忠(南海)が引退。*セ:巨人(川上哲治)/パ:ロッテ(濃人 渉)/日本シリーズ:巨人(川上哲治)=V6
3月20日 厚生省、スモンの患者数は2,669人と発表。原因はキノホルム(9/5)
3月24日 漫画「あしたのジョー」で壮烈な死をとげた力石徹の告別式
3月31日 ハイジャック赤軍派、日航機よど号をハイジャック
日本赤軍の学生9人によって、乗員7人、乗客131人が乗った羽田発福岡行きの日航機が乗っ取られた。韓国の金浦空港で、山村政務次官を身代わりに乗客らを解放させ、「よど号」は北朝鮮の平壌に向かった。リーダー格・田宮高麿の「我々は『あしたのジョー』である」というセリフが時代を感じさせる。
4月10日 ポール・マッカートニーの脱退で、ビートルズの解散が決まる
ジョンとポールの方針の違いなどから、LP「レット・イット・ビー」を最後に、8年半にわたるグループ活動に終止符。
4月26日 万博会場の「太陽の塔」を赤軍派と称する男が占拠
5月4日 厚生省が全国の「かぎっ子」は483万人と発表
5月9日 共産同赤軍派の最高幹部・重信房子を逮捕
5月11日 松浦輝雄と植村直巳が、日本人初のエベレスト登頂に成功
5/6プロスキーヤー・三浦雄一郎がエベレストの7,800メートル付近から7,000メートル地点のクレバスまで滑降し注目を浴びる。5/11日本山岳会エベレスト登山隊の松浦らが世界最高峰(8,848メートル)に登頂(世界で6番目)。翌日、平林克敏も登頂に成功した。
*なお植村直己は、8/30北米最高峰のマッキンリーに初の単独登頂にも成功している。
5月12日 シージャック事件で犯人射殺
瀬戸内海で起こった観光船乗っ取り事件。山口県下で自動車を盗み、警官をを刺して逃走中の川藤展久(20)が、広島市宇品港から瀬戸内海汽船「ぷりんす」を乗っ取って篭城。翌日、警官隊に狙撃されて死亡した。
5月20日 黒部市をカドミウム汚染の要観察地域に指定
6月10日 救急車のサイレン音を「ピーポー」に変更へ
6月15日 森永ヒ素ミルク事件でミルクが原因と認める
6月22日 政府、日米安全保障条約の自動延長を発表
6月25日 公明党、政教分離を発表
喫煙者のがん死亡率は非喫煙者の2倍と発表
7月3日 ニューシネマ「イージー・ライダー」23週のロングラン
ピーター・フォンダ、デニス・ホッパーがふんする2人のヒッピーが、自由を求めてロサンゼルスから南へ向かってひたすら旅をするという映画「イージーライダー」(デニス・ホッパー)が大ヒット。
*同時期に公開された「明日に向かって撃て」(G・ロイ・ヒル)も話題に。
*この年の日本映画は、「どですかでん」(黒沢明)、「エロス+虐殺」(吉田喜重)、「橋のない川・第2部」(今井正)、「裸の十九歳」(新藤兼人)、「男はつらいよ・望郷篇」(山田洋次)、「緋牡丹博徒・お竜参上」(加藤泰)、「昭和残侠伝・死んで貰います」(マキノ雅弘)など。
7月5日 レコード「走れコウタロー」(ビクター)を発売
ソルティー・シュガーの「走れコウタロー」が大ヒット。
*小椋佳がLP「青春」で、オフコースが「群衆の中で」でデビュー。この年、吉田拓郎、RCサクセションもデビューした。
7月14日 日本の呼称を「ニッポン」に統一
7月17日 家永三郎教科書裁判2次訴訟判決、「教育権は国民の権利」の判断
7月18日 光化学スモッグが発生し、都内で被害あいつぐ
杉並区の高校で、女生徒40人余が吐き気や目の痛みなどを訴えて倒れた。光化学スモッグが原因であることがわかり、東京都は観測態勢を強化し、光化学スモッグ注意報・警報の発令を開始した(7/27)。
*一方、東京・牛込柳町では鉛中毒患者が発生し、車の排気ガスによる大気の鉛汚染が表面化した(5/21)。
8月2日 歩行者天国 東京・銀座などで「歩行者天国」が始まる
銀座、新宿、池袋、浅草の4地区で、車道から車を一時的に閉め出す試みが実施された。珍しさも手伝ってか、人出は合わせて80万人。この日はCO(一酸化炭素)の濃度も心なしか下がったという。
8月4日 初の内ゲバ殺人
8月9日 田子の浦港でヘドロ公害追放抗議集会
8月11日 食管法規則改正で、スーパーでもお米を販売へ
9月1日 広中平祐、数学のフィールズ賞を受賞
9月6日 パレスチナゲリラ、旅客機4機を連続ハイジャック
9月28日 アラブ連合のナセル大統領が急死
10月12日 宇井純、東大で自主講座「公害原論」を開講
10月14日 国鉄の「ディスカバー・ジャパン」キャンペーン始まる
10月22日 大場政夫、世界フライ級チャンピオンに
大場政夫が、タイのベルクレックを破り世界フライ級チャンピオンに。
*また、12/11柴田国明がメキシコのサルジバルを破って世界フェザー級チャンピオンになり、ボクシング界に2人の世界チャンピオンが誕生した。
10月28日 カメラマン沢田教一、カンボジアで銃弾を浴びて死亡
11月9日 第1回日本歌謡大賞に藤圭子の「圭子の夢は夜ひらく」
前年「新宿の女」でデビューした藤圭子の「圭子の夢は夜ひらく」が大ヒット。「薄幸の少女」のイメージと、五木寛之の「藤圭子の演歌は怨歌である」という論評が人気に拍車をかけた。
*森山加代子「白い蝶のサンバ」/ちあきなおみ「四つのお願い」/由紀さおり「手紙」/渚ゆう子「京都の恋」/辺見マリ「経験」/日吉ミミ「男と女のお話」/北原ミレイ「ざんげの値打ちもない」/加藤登喜子「知床旅情」など、この年も女性シンガーが活躍。
*トワ・エ・モア「空よ」「誰もいない海」/ヒデとロザンナ「愛は傷つきやすく」など、男女のデュオも。
*レコード大賞は菅原洋一の「今日でお別れ」が受賞。
11月14日 東京で日本初のウーマン・リブ大会を開催
性別による差別の撤廃、女性が指導的地位につく可能性を増大すること、雇用の機会均等などを主張する、女性による女性解放運動のこと。アメリカを中心に、1960年代後半から各国で盛んに。
11月15日 沖縄で初の国政選挙。投票率83.58%
11月20日 「不幸の手紙」が流行と報道
11月25日 三島由紀夫 三島由紀夫、自衛隊にクーデーターを呼びかけ失敗、割腹自殺
作家の三島由紀夫が、「楯の会」会員4人をともなって、東京・市ヶ谷の陸上自衛隊を訪れ、益田総監を人質にとり、バルコニーから憲法改正など約10分間演説。その後、総監室で森田必勝とともに割腹自殺を遂げた。当時「アサヒグラフ」が、2人の生首が写った総監室内の写真を掲載し話題に。
12月20日 沖縄コザ市で反米騒乱

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1970年のCM

モーレツからビューティフルへ(富士ゼロックス)/それにつけてもおやつはカール(明治製菓)/男は黙ってサッポロビール(三船敏郎)/どういうわけかキリンです(岸田今日子・中谷昇)/ウーン、マンダム(チャールズ・ブロンソン)/女房よろこぶ(ハウス・ジャワカレー、伊丹十三・宮本信子)/こんな格好で失礼します。振り向かないで○○の人(ライオン)/ハヤシもあるでよ(オリエンタル・スナックカレー、南利明)/隣の車が小さく見えます(日産)

1970年の流行語

ハイジャック/ビューティフル/鼻血ブー/わるのり/シラケ/内ゲバ/怨/ウーマン・リブ/ヘドロ/ppm/歩行者天国/進歩と調和

1970年の物価

寿司(並)250円/コーヒー95円/もりそば100円/理髪500円/40代父親の小遣い月6,346円

参考資料

「20世紀年表」毎日新聞社、「日録20世紀」講談社、「昭和・平成現代史年表」小学館、「現代風俗史年表」河出書房新社

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