予想屋【大泉実成・田中良成】

予想屋

ミイラ取りが結局ミイラ案内業に


書籍名 予想屋
著者名 大泉実成・田中良成
出版社 太田出版(262p)
発刊日 1998.2.25
希望小売価格 1,800円
書評日等 -
予想屋

本邦初の総合博打雑誌「ギャンブル大帝」の連載「俺のバクチ道平成NIPPON予想屋列伝」をまとめたもので、単発あるいは個別種ごとには時折企画されたこともあったが、並べての公営ギャンブルの場内予想屋を総ざらえは始めての快挙。

もちろん理由もあって、すべてのギャンブルを全部日常的にやる人は無であり、必ず得手が普段の種目。それは取材者にももちろん有り、その道の人には歯がゆいやり取りがそこここに見られる。そこがまたご愛敬で、致し方なく許せる範囲、書にまとめる際にも種目くくりせず、ほぼ取材順の構成にしているために、段々その種目の専門語にも通暁していく様がみえてむしろほほえましいくらいだ。

1994.12取材の南関東地方競馬(この言い方も該当種目ではメジャーではないが)の、自ら著書もある「佐々木の予想」(これは立ち台の屋号・看板)から始まりオーソドックス。次いで種目は競輪で、立川競輪の「競輪ラッキー社」、そしてオートレース、競艇とこれがこの書での4種目。

これらは場内での場立ちが公認されており、初めて訪れた人の案内役、場内の盛り立て役を担っている。中央競馬にもかつては存在したが、現在は無し。ここらがJRAの脱鉄火場、公営とは一線画しともいえ、古いファンには所詮博打事をぶりやがってと叱責を受けるところだ。

戦後50年を過ぎて、2代目(親から、親方から)が存外多い、またまさにミイラに魅了されての生業がその次、いずれの予想屋もきわめて精神的にストイックで真剣そのもの、しかも学友からはあんなおとなしい寡黙な奴が・・・とこの乖離がもの哀しい。

初めて知ることも多く、例えば船橋の競馬とオートを兼営している人、新聞だけなのでにぎやかしのため自ら場立ちを買って出た新聞人、あのたけしが尊敬するたけしそっくりのしゃべくりを駆使する芸能まがいビト、・・・多士済々。この書をよんで、いっぺんに世の予想屋希望が雲散霧消すればそれなりの意義あり、事実、当たらなければオマンマの食い上げというのが必定の厳しい世界、仇や・・・。(修)

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