その場がど~んともりあがる雑学の本
相手をリラックスさせる雑学<第2章>
サーカスの語源はラテン語(Circus=キルクス)で、円周とか回転を意味します。つまり、どの観客席からも見渡せる「輪」ということ。古代ローマ時代に円形の競技場で人間と猛獣の格闘や、競馬もおこなっていたことに由来します。
また、古代エジプトでは円形のなかで動物の見せ物やアクロバットもあったといい、それが大道芸の形で発展し、やがてショー的な要素が加味されていきました。
今日的なサーカスが成立するのは、18世紀後半、1770年に英国の退役軍人、フィリップ・アストリーが、曲馬だけではなく、綱渡りやアクロバットを演目に加えてからとされています。
19世紀から20世紀にかけて、フランス、ドイツを中心に大流行し、アメリカやロシアなどでは世界的に著名なサーカス団も誕生しました。とくにロシアでは国営事業として栄え、五輪の体操をしのぎ、国技としてのカリスマ的地位を築くまでになりました。
やがて、1980年代に入って演目も宇宙曲芸など多様化していき、音楽と演技を合体させたストーリー性を売り物にし、現在では奇抜なアクロバットだけではなく、パフォーマンスと音楽が融合したエンターテインメントに成長しました。
1997年4月から8月に東京臨海副都心のお台場でおこなわれたサーカスとミュージカルが合体した「ドリームエンジェル」の面々は、世界のトップレベルのサーカス演技で人気を博しましたが、五輪を目指したスポーツ選手からの転向組も多いとか。同会場もやはり「輪」のなかでの演技でした。
「講談社+α文庫」所収
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