その場がど~んともりあがる雑学の本
相手をリラックスさせる雑学<第2章>
ある調査によると、老後に手がけたい商売のベスト5に入るのが喫茶店です。わりと手軽に開業できると思われているからでしょうか。
わが国に初のハイカラなコーヒー店が東京・下谷西黒門町(台東区上野2丁目)にできたのは、明治21年(1888)のこと。可否(コーヒー)茶館と粋な名がつけられ、経営者は鄭水寧氏という中国の人でした。青ペンキで塗られた洋館で、1階はどリヤード、2階が喫茶店でした。
現在、喫茶店で飲むコーヒーは200~500円前後ですが、この可否茶館のコーヒー代は一杯5厘で、このほか、いわゆるテーブルチャージ料として1銭5厘支払いました。
可否茶館の店内には新聞や遊び道具が置かれ、学生向きの文房具店や女性用更衣室までありました。また、インテリア・調度品にも凝り、丸テーブル、藤制いす、ランプなど、サロン風の雰囲気づくりに一役買っていたようです。
しかし、話題性には富んでいたものの、なぜか客足のほうはイマイチで、オープンして3年目に休業してしまいました。
「講談社+α文庫」所収
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