その場がど~んともりあがる雑学の本
もう少し目立ちたい雑学<第4章>
よく、金を派手に使うことを「札ビラを切る」といいます。『広辞苑』では「多くの紙幣を惜しげもなく支出する」と解説されていますが、札だけでも通用するのに、どうしてビラがついているのか説明がありません。また、多くの支出をするの意に、なぜ「切る」が使われるのでしょうか。
ここで、雑学的見解を述べてみましょう。
昔、砂金は貨幣として用いられていたことは、ご存じのとおり。歌舞伎の「勧進帳」をみると、義経、弁慶らが山伏に身をやつしては山伏の一行が義経主従と見破ったものの、見逃してやります。そのとき、南都東大寺仏堂建立への寄進にと、袋入りの砂金2包みを差し出します。
このように、砂金は通貨として使われていましたが、こまかい支払いには不便です。そこで、次には金の薄板が使われるようになり、これを花ビラといいました。のちに紙幣の札が一般化して、俗にサツというようになりましたが、花ビラのビラだけが名残をとどめ、サツビラとなったのではないでしょうか。
また、花ビラは支払いの際に、その金額の大小に応じて、適当な大きさに切って使いました。ここから「切る」という言葉も残ったと考えられます。んか入っているヒマもスキもなかったというのが、真相ではないでしょうか。
「講談社+α文庫」所収
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