その場がど~んともりあがる雑学の本
もう少し目立ちたい雑学<第4章>
最近の若い人は個性的で、他人との差別化を図りたがります。服装だけではありません。髪もアクセサリーの一つとなってきました。日本女性の黒髪は、昔から「緑の黒髪」が美人の条件とされてきました。
それが茶髪とやらで、男女を問わず、高校生までが髪をブラウンに染めるようになったり、奇抜な髪型をするようになりました。
しかし、本来、頭髪は熱に弱い脳を直射日光から守る大切な機能を持っています。毛髪の中心部には空気をたっぷり含んだ髄質と呼ばれる部分があって、熱を遮断する構造になっています。髪の質も色によって違いがありますが、人種によっても違います。
黄色人種、白人、黒人、それぞれ肌と同様に頭髪の色、質が違います。そのなかで、頭髪としての機能が、いちばんすぐれているのは黒人の、あの「縮れっ毛」です。理由は縮れているため、毛と毛のあいだに空気をたっぷりと保存することができ、断熱効果が抜群だからです。
ところで、日本人も黒人も同じ黒色なのに、なぜ一方は縮れ、一方は直毛なのかというと、毛の断面の形がぜんぜん違っているからです。縮れっ毛ほど断面が平らで、黒人の髪の断面は縦と横の比が、ほぼ2対1になっています。ところが、日本人の場合、真円に近いため、まっすぐになっているのです。アフロヘアやパンチパーマなど、日射病予防に最適かもしれません。
が、しょせんは人工的なもの。それにパーマ剤の主剤が頭の皮膚から吸収されると、腎臓病や肝臓病の遠因の1つになることもあるそうです。別段、流行にさからう気はありませんが、母親の胎内で芽生えた毛髪が、いちばん自然でいいのではないでしょうか。
「講談社+α文庫」所収
【Amazon.co.jp】書籍、CDから家電まで購入金額1,500円以上で国内配送無料。
Copyright(c)2002-2010 Kenji Noguchi. All Rights Reserved.