その場がど~んともりあがる雑学の本
もう少し目立ちたい雑学<第4章>
世界のマグロの漁獲量は約一四〇万トン。そのうちの半分、約七〇万トンが日本国内で消費されています。外国のマグロ船は、常に築地のマグロ相場を見ながら操業しているそうです。日本以外の国では刺身を食べないので、日本は刺身マグロの消費大国だからです。/p>
そのマグロ漁法は延縄式と巻き網式が一般的ですが、延縄式は五〇メートル間隔にサバなどの釣りえさをつけた釣り糸と針を垂らした縄(幹縄)を海上に張っていく漁法ですが、その幹縄の長さは一〇〇キロメートルにも達します。なんと、東京から熱海、あるいは宇都宮までの距離に相当する長さです。/p>
縄を張るために船を全速力で走らせても、全部張り終えるのに四時間はかかるそうです。その釣り糸にマグロが食いつく時間を二~三時間として、こんどは縄を揚げるのに、さらに四時間はかかるので、最初の釣り針にかかったマグロと最後にかかったマグロでは、最大約一〇時間の差があります。/p>
当然、最初のころ、釣り針に食いついたマグロほどあばれるので、肉質がくずれ、身割れもひどくなります。マグロは素手でさわると、そこから腐り始めるというほど、デリケートな魚。そこで、肉質を保つために、できるだけ早く引き揚げ、船体などにふれてキズがつかないように、揚げ縄にはことのほか神経を使うそうです。
「講談社+α文庫」所収
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