その場がど~んともりあがる雑学の本
相手の気をひく雑学<第1章>
マグロは「スズキ目、サバ亜目、サバ科、マグロ属」の総称です。7種類あることが知られており、そのなかでクロマグロが最大で、体長2メートル、体重数百キロもあります。クロマグロはホンマグロとも呼ばれ、味は抜群。
この巨体を養うため、マグロは大量のエサを必要とし、イワシなどを追いかけるために時速100キロを超すスピードを出します。
また、マグロは海の食物連鎖の頂点に立っているわけではなく、シャチなど天敵に襲われることもあり、逃げるスピードも必要なのです。
では、なぜそんなスピードを出して泳げるのでしょう。マグロの体は水の抵抗を受けない理想的な紡錘形をしています。時速100キロを超すマグロもいますが、高速時には背ビレ、胸ビレ、尻ビレをしまい込めるくぼみも持っています。したがって、魚雷のように海中を突進でき、魚類ではスピードチャンピオンになっているのです。
陸上でもっとも速いといわれるチーターでも最高時速100キロはクリアできますが、走れる時間はわずか数分間。マグロにはかなわないのです。
その秘密は筋肉の組成。マグロなどの回遊魚は運動量が多いために、体がつねに大量の酸素を必要とします。エラ呼吸で得た酸素を体のすみずみで効率よく利用しなければなりません。
そこで大切なのが、ヘモグロビンなどの色素たんぱく質。回遊魚は体全体にある筋肉に、この色素たんぱく質を大量に含んでいるため、赤い色(赤身の魚)をしているわけです。
カツオでは色素たんぱく質が筋肉100グラム中に140~170ミリグラム、マグロでは490~590ミリグラム含まれ、白身魚であるマダイの100グラム中6ミリグラムしかないのとは大違いです。
「講談社+α文庫」所収
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