その場がど~んともりあがる雑学の本
とにかく話をつなげたい雑学<第3章>
フランクフルト・ソーセージをパンにはさんで食べるホットドッグコーナーは、遊園地や野球場、駅の構内など、人のおおぜい集まるところにはたいていあります。
立ち食いそばと同じく、店構えはほとんどがスタンド形式。本場のアメリカでも、この種のスタイルが多いようです。立ち食いだから急ぎのときなど便利で、忙し好きの日本人向きでもあります。
ところで、ホットドッグとはおもしろいネーミングです。こんなに大流行させた食べ物のネーミングを考えた人は、一流のコピーライターかと思いきや、そうではないらしい。
巷間伝えられている話では、次のようになっています。
アメリカの片田舎にいた男が、フランクフルト・ソーセージをいためて長いパンにはさみ、サンドイッチ屋を開店しました。思ったより売れ行きも順調。ホッとしているところへ一人の男が現れ、一個注文しました。
「なんだい、これは。まるで犬の肉を熱くして、はさんであるようだ」
と悪口を並べ立てながら、全部食べてしまいました。しかし、サンドイッチ屋のオヤジは怒りませんでした。むしろ、その言葉を応用してコピーを考えたのです。「熱い犬の肉か。なるほどナ」。で、「ホットドッグあります」と看板に大きく書いて、店頭にぶら下げてみました。
めずらし好きのアメリカ人は、なんのことかと、さっそくおおぜい詰めかけ、大盛況。アメリカ中の評判になり、店舗をふやしていったといいます。商売はアイディア一つです。
「講談社+α文庫」所収
【Amazon.co.jp】書籍、CDから家電まで購入金額1,500円以上で国内配送無料。
Copyright(c)2002-2010 Kenji Noguchi. All Rights Reserved.