その場がど~んともりあがる雑学の本
とにかく話をつなげたい雑学<第3章>
ライスカレーかカレーライスか、どっちだっていいようなものですが、「カレーをライスの上にかけるんだからカレーライスが正解」と主張する向きが多い。
しかし、『日本三大洋食考』の著者、山本嘉次郎(1902~1974)はライスカレー派だし、織田作之助(1913~1947)の名作『夫婦善哉』で有名な大阪・難波新地の専門店「自由軒」も同様にライスカレー。それに、この店のはカレーとご飯を「あんじょう、まむして(うまく、混ぜて)」皿盛りにして出します。開業は明治43年(1910)。
山本嘉次郎によれば、日本の文献に初めて「らいすかれー」の文字がお目見えしたのは明治9年(1876)だとか。
同年夏、米国からウィリアム・スミス・クラーク博士(1826~1886)が札幌農学校へ着任。当時の青年の体格が貧弱なのに驚いた博士は、洋食を奨励するため、寮生にライスカレー以外の米食を禁じました。
わずか8カ月余で同校を去ることになり、例の"Boys, be ambisious!"、という言葉を残したのです。これが「少年よ、大志を抱け」と訳されたのですが、じつは見送ってきた生徒たちがしょんぼりしているので、「諸君、しっかりしろ」と励ましただけ、との説もあります。
しかしこの正誤も、ライスカレーかカレーライスみたいに、もはやどうでもいいことでしょう。
「講談社+α文庫」所収
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