その場がど~んともりあがる雑学の本
とにかく話をつなげたい雑学<第3章>
映画やドラマなど時代劇を見ていると、戦国時代には武将の多くがひげをはやしているのがわかります。また、当時はそのひげづらが英雄豪傑のシンボルにもなっていました。ひげの薄かった秀吉などは、つけひげまで用いたくらいです。<
ところが、江戸時代になると、ひげをたくわえた武士がさっぱり登場しなくなります。なぜでしょう。
それは、江戸時代に入ると幕府は戦国の遺風を嫌って、大名、旗本、武士たちにひげをつけさせないようにしたためです。四代将軍家綱は寛文10年(1670)に、「大ひげの禁止令」まで出しています。
ただし、あごの先のひげ程度は、武士以外には大目に見たことから、医者などがあごひげをはやし、むしろそれが職業上のシンボルみたいになっていました。
武士のなかでも、最下位の家来のなかには大きなあごひげをつけているのが見られますが、当初はほんとうのひげもあったにせよ、大ひげ禁止令のあたりから、ほとんど描きひげでした。とくに参勤交代のときなどに限って、わざと描いたりする風習も生まれました。
「講談社+α文庫」所収
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