その場がど~んともりあがる雑学の本
とにかく話をつなげたい雑学<第3章>
「腹が減っては戦はできぬ」--。合戦のさなか、食糧や水の確保にはいろいろな苦労がつきものでした。たとえば、短期戦の場合、各自が握り飯と、水に浸すとふやける干し飯を腰にぶら下げて出陣しました。
食糧を用意するヒマもない合戦では、選抜された韋駄天走りの強者が、先々のお百姓さんを訪ね、食糧を確保して後発隊を迎えた例もあります。
正面切って城内へ食糧を運び込むことが危険な場合は、泳ぎが達者な兵士が川を下って、ひそかに食糧を城内へ入れた例もめずらしくありません。手っ取り早い方法として、夜襲をかけて、敵陣が混乱している最中に食糧を強奪することもありました。
1日1人当たり1.8リットル(1升)必要だった水の供給ガメは、堀か城外の川などでした。戦国時代はいまのような水質汚染はなく、飲み水としても利用できたのです。しかし、長期戦になった場合、大量にくみ置きできないため、水をめぐる攻防は、熾烈を極めたのです。
「敵陣の水を断てば戦は勝ち」ともいわれたくらいです。敵地を支配下におさめた際、その土地の井戸水はそのまま飲むな、というのも鉄則でした。理由は、毒や汚物が投げ込まれていることが往々にしてあったからです。
「講談社+α文庫」所収
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