宵越しのお茶はなぜ飲んではいけないか<雑学倶楽部>



宵越しのお茶はなぜ飲んではいけないか<雑学倶楽部>

その場がど~んともりあがる雑学の本
とにかく話をつなげたい雑学<第3章>

「茶腹も一時」などといいますが、お茶は薬毒両面を持っています。

よく知られているように、お茶はビタミンCの最良の供給源。日本で緑茶が普及したのは、テイン(カフェイン)やお茶特有の渋みのもとタンニンをとると同時に、青野菜が不足する冬にビタミンCを補給する目的がありました。

平安時代には、お茶を飲んで、どこの水で出したお茶か、その水を当てる遊びもありました。この遊びは、茶の質、水質、温度のよさを味わい分ける遊びで、それがやがて薬効より味覚を楽しむ嗜好品と考えられるようになり、茶の湯の発達に結びつきます。

茶は、適量のタンニンが消化酵素の作用を抑え、過剰栄養を制限して体を健康にする働きがあります。いわゆる健康飲料の元祖のような飲み物でもありました。

事実、戦国武将や江戸時代の文化人は、当時の日本人の寿命(平均52~53歳)をはるかに超え、70代まで生きています。

お茶の科学性を信仰と結びつけたのは、鎌倉時代に栄西が著した『喫茶養生記』(1211年)からです。

ところで、宵越しのお茶が体に害を与えるというのは、なぜでしょう。お茶は、一晩たつとタンニンが酸化して、まずくなるからで、もう一つは茶がらのなかで細菌が発生することもあり、有害な作用を及ぼすからです。

何事もそうですが、いい面ばかりを見ていると、思わぬ毒に当たるものという戒めでもあります。

「講談社+α文庫」所収

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