今では死語になってしまったけれど、「戦後強くなったのは女性と靴下」という言葉がある。その靴下の強度に大いに貢献したのがナイロンだ。
1935年(昭和10年)2月、米デュ・ポン社の基礎研究部長カロザースが発明した。同社は、研究から製品化までに、10年の歳月と2,700万ドルの研究費をかけたという。1939年の歯ブラシ、工業用ブラシを皮切りに、翌年には婦人用、紳士用靴下に及び、特に第2次大戦で日本からの生糸の輸入が途絶えると、ナイロン靴下のマーケットは急速に拡大した。
日本で最初に研究に取り組んだのは東洋レーヨン(現・東レ)で、戦後になる と他社も続々と参入した。
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