1936年8月11日、ベルリンオリンピックの女子水泳200メートル平泳ぎ決勝で、日本の前畑秀子とドイツのゲネンガーが激しいデッドヒートを演じた。
このときの激戦ぶりは、今も語り継がれているが、同時に、実況を担当したNHKの河西省三アナウンサーの絶叫放送も有名になってしまった。「前畑リード、前畑がんばれ、前畑がんばれ、リード、リード、あと5メートル……勝った、勝った、前畑勝った……」。このとき、河西アナは「がんばれ」を24回、「勝った」を14回繰り返したという。
当時、オリンピックで日本人が優勝することがいかに難しかったかを示す、ほほえましいエピソードだ(いまでも難しいけど)。
cf.オリンピック
ターンしました。ただいま、ターンしました。わずかにリード。前畑がんばれ、がんばれ、がんばれ。あと40、あと40。
前畑リード、前畑リード。ゲネンガーも出ております。ほんのわずか、ほんのわずか。前畑わずかにリード、前畑がんばれ、がんばれ。あと25。わずかにリード、わずかにリード。
前畑がんばれ、がんばれ前畑。ゲネンガーが出ております。危ない、がんばれ、がんばれ、がんばれ、前畑リード、前畑リード、前畑リードしております。前畑がんばれ、前畑がんばれ。
リード、リード、あと5メートル。前畑リード、リード、リード、勝った、勝った、勝った、前畑勝った。前畑勝ちました! 前畑勝ちました! 前畑優勝です。前畑優勝です。
NHKサービスセンター 製作・販売 CD「アナウンサーたちの70年」より
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