フジテレビの「愛するふたり 別れるふたり」でやらせが発覚して、番組が打ち切りになった。これで、テレビ界からやらせがなくなったのかというと、そんなことはない。
もともと、テレビというのは映像が無いと文字通り「絵にならない」メディアだから、やらせなくしては成り立たないと言っても過言ではない。いくら先行取材をしていても、毎週毎週番組が作れるようなネタが集まるほど、世の中は都合よく出来ていないからだ。もちろん、活字の世界でもやらせもどきはたくさんある。行かずのお店紹介、でっちあげ読者投稿、アルバイト動員のベストセラーづくり、限りなくフィクションに近いノンフィクションなど数え上げたらきりがない。
だいたいメディアというのは、「まず事実ありき」ではなく、「まず器ありき」で、その器を毎日毎日埋めていく作業だから、テレビに限らずやらせなくしては成り立たない部分がある。(1999.11.29)
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