新聞の記事は、日々締め切りとの闘いだから、なるべく効率よくつくるための様々な工夫がこらされている。そのうちの一つが予定稿だ。
たとえば、まだ亡くなっていない人を、亡くなったものと想定して、あらかじめ原稿を書いておくということは珍しくない。昭和天皇崩御の際も、「Xデー」などと呼ばれ、取材は1年以上前から行われており、崩御の当日には、ほぼ出来上がった紙面を手直ししただけといわれる。新聞社は、予定稿の存在を公式には認めたがらないが、天皇崩御前年の秋、英文毎日と共同通信が、誤って崩御の予定稿を流してしまったことで公になってしまった。
ほかにも、社会的に注目される裁判の判決前などには、原告の勝訴・敗訴や、被告の有罪・無罪のケースを書き分けておくのが普通だ。
cf.シバリ
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