運命の一瞬!【おもしろ世紀末総研】

運命の一瞬!

これは広範囲の収集、歴史の切片の数々


書籍名 運命の一瞬!
著者名 おもしろ世紀末総研
出版社 青春出版社(250p)
発刊日 1998.3.1
希望小売価格 476円
書評日等 -
運命の一瞬!

一瞬でまとめた数々の逸話
これも多くの渉猟を経て作られた書。シンクロニシティ(共時性、意味ある偶然の一致現象)にあまり拘らずに、人々のでくわした様々を一挙収録、それでも他書と同一部分が多いので、それ以外といくらかユニークな所を・・・。表題の「運命の一瞬」は統一題で、すべて「・・・一瞬」でまとめられて全6章立て。

「魔の一瞬」は、まさかの結末に、ただボーゼン・・・の不測の事態を招いた一瞬。すべては、1匹のプードルのどたばた映画さながらの例、13階から犬が落下し75歳の老婆を直撃し即死、騒然とする内なんとバスが集まった群衆にもろに突っ込んで来た、中年男性が轢かれこれまた即死、それを目撃していた別の中年男性がショックで心臓マヒ死、ブェノスアイレスの犬死の悲惨なこの事件は1988年のこと。

力道山の直接の死因については、いまだに夕刊紙の格好の種だが、これこそ多分真実、刺し傷で入院、幸い手術は成功裡にあったはずが、一滴の水も飲んではいけない段階で、彼は好物の炭酸飲料水をガブガブ飲み、膀胱炎・腸閉塞で不用意な最期を迎えたという秘話、だが誰がそれを持ち込んだか・・。

「奇妙な一瞬」は、神のいたずらか、偶然か!? 珍事件を引き起こした一瞬。幼くして目が不自由になった人が一人頑張りに疲れ果てて障害者センターに入所、看護婦さんが惚れてくれて結婚した、20年を経過した頃、頭上から道具箱がどういう訳か落下してきた、一瞬の久しぶりの眩しさを感じたと思ったら目が突如見えたという。が喜びも束の間、奥さんの顔をみてギャー、ブスさ加減に離婚に至ったという話は1969年、オーストリアでのこと。

30年間のローンを払い終えた祝いパーティーで憎っくきローン書類一式をエイヤっと燃やしたら火事になって、元の木阿弥なり、だとか、偶然聴いたラジオで懐かしき離婚した妻からの再会しようというメッセージ、会ってみたらどちらも投稿していなかった、全く別人の他人の同姓名の2人だった、という顛末。

歴史がみせる、偶然という転換点
「誕生の一瞬」これは発明物語に多いが、大発明からヒット曲まで科学では説明できない一瞬。三和銀行の前身はご存じ鴻池家だが、この先祖が徳川時代の造り酒屋、この先祖が清酒を発明?したという、それは一夜忘れ置いた木灰入りの失敗濁り酒、翌朝仰天あら不思議透明の清い酒の誕生の一席。

「劇的一瞬」は、仰天事実が裏付ける!? 歴史の流れを変えた一瞬。これはご存じだろう、よど号事件はそれより過ぐる日の別便のはずだった。予行演習の結果、搭乗直前の方が警備がゆるいことを学習し、それを実行してアウト、杜撰な歴史の隠れた事実。

また、日露戦争の成功例、バルチック艦隊の航路が分からない折、民間商社からの打電「石炭輸送船、上海に入港せり」、かくして奇襲大撃破、大国に勝ったたった1本の値千金の電報なり。「劇的一瞬」では、最近話題にまたなっているベルリンの壁の逸話など・・・。

この類の文庫本はコンビニで、あくまでも参考文献は一括で末尾に添えられているだけだが、実はそれにもたいていの場合、親文献があるためやむを得ないとしても、研究者にとっても、魅力的な領域を形成しつつあるだけに、もう少し脚注的な工夫ができないものだろうか。(修)

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