何かと言うと「統一規格」を好むこの日本で、どうしても統一出来ないものがある。電気の周波数がそれだ。
わが国には、静岡県富士川を境に、東は50ヘルツ、西は60ヘルツの2通りの周波数がある。日本で本格的に電力供給が始まったのは、1896年に浅草火力発電所がドイツのAEG社から発電機を導入してからだ。この周波数が50ヘルツであった。翌年、大阪電灯はアメリカのGE社から、60ヘルツの発電機を採用した。
どうしてこんなことが起こったかと言うと、当時、電気は電灯程度にしか使用されなかったので、周波数の違いはほとんど問題にならなかったからだ。その後、大正初期と第2次大戦後の2回、統一の動きがあったが実現しなかった。
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