銀行を始め、大企業の倒産が相次ぎ、リストラも進行して、巷には失業者があふれている。
「サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ」と歌った植木等の「スーダラ節」がヒットした1961年(昭和36年)から、「去るも地獄、残るも地獄」の現在まで、40年も経過していない。もともと、私が小学生のころ(1950年代)の父親の職業は、自営業が大半で、サラリーマンはむしろ少数派だった。失業率が高いのは、企業を放り出された人々が、他の企業に再就職しようと待機しているからで、自営業に転ずれば失業率は一気に下がる。公的資金は、銀行再建などにつぎ込まず、起業家に投資すべきだろう。
高度成長時代を担う企業戦士が輩出して、学業成績偏重の競争社会を生み出し、社会をゆがめてしまった。西岸良平のマンガ「3丁目の夕日」のように、貧しくてものんびりと幸せだった時代に戻ればいい。(1999.7.6)
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