レーチェル・カーソン女史の「沈黙の春」(1962年)という本には、貴重な教訓が含まれている。
1954年、ミシガン州立大学のキャンパスで、オランダニレ病防止のために、殺虫剤のスプレーが始められた。当時、少なくとも370羽観察されたコマドリは、3年後にはヒナのふ化は1羽だけ、4年後にはヒナのふ化はゼロという状態になり、しまいには構内からコマドリの姿は消えてしまった。
これは、殺虫剤が付着した落ち葉をミミズが食べ、さらにそのミミズをコマドリが食べて、コマドリは不妊になるか、死んでしまったためだという。生態系を壊すと環境も破壊されるという好例だろう。
- 中村方子「ミミズのいる地球」中公新書
cf.ミミズ
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