この3月、ぴあから団塊の世代を対象にした「おとなぴあ」が創刊される。「おとなぴあ」とは言いながら、その実態は「シニアぴあ」というところだろう。
堺屋太一の未来経済小説「団塊の世代」は1976年、講談社から出版されたが、本自体はベストセラーになった形跡はない。ただ「団塊の世代」という言葉だけが一人歩きを始めたのだ。以下は、そのトビラの言葉。「1960年代の『若者の反乱』は、戦争直後に生まれた人口の膨みが、通り過ぎる嵐であった。かつてハイティーンと呼ばれ、ヤングといわれた、この『団塊の世代』は、過去においてそうであったように、将来においても数数の流行と需要を作り、過当競争と過剰施設とを残しつつ、年老いて行くことであろう」
その後、堺屋太一は1985年に「世紀末の風景」を書き、10年後の団塊の世代の姿を予測した。経企庁の長官なんかやっていないで、今から15年後の団塊の世代を予測してほしい。その時は、3.7人に1人が65歳という超高齢社会だ。(2000.2.11)
- 堺屋太一「団塊の世代」講談社
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