いまや携帯電話の社名にまでなっているツーカーという言葉、いったい何語なのかといえば、れっきとした日本語なのだ。
「ツーカーの仲」とか「ツーといえばカー」などと使う。こちらの意思がすぐ相手に伝わる、気心が通じ合う間柄のことだ。明治末期から大正にかけて、漢語が大流行し、一般の庶民もやたらに漢語を振り回した時期があった。そんな時代に誕生したのが「通過の仲」すなわち「ツーカーの仲」。物事が通過するように、こちらの意思が相手に伝わるというような意味で使われた。
この言葉を、落語家や寄席芸人などが盛んに使って、広く流行させたが、しゃべり言葉だったので文献には残らず、現在でも辞書には「俗語」扱いになっている。
| 書評者プロフィル | 編集長なんちゃってプロフィル | 免責事項 |
Copyright(c)2002-2010 Kenji Noguchi. All Rights Reserved.