字面から判断すると、唐がらしは中国のものと考えがちだが、もともとの原産地はメキシコだ。メキシコを征服したスペイン人は、タバコやトマトなどと一緒に、唐がらしを太平洋を越えて東洋に運んできた。
日本には、中国を経由してきたために、たまたまこのような名前になったが、中国に到来したのも明代の終わりごろで、日本とたいして違わない。四川料理やキムチなどをみても分かるように、中国や朝鮮、東南アジアなどでは唐がらしが好まれ、タバコとともにあっと言う間に唐がらし文化圏は広がった。
日本では、唐がらしの辛さになじめず、1630年ごろ中島徳右衛門が、唐辛子に胡椒、山椒、ケシの実、菜種、麻の実、陳皮を入れて辛さを中和し、「七色唐がらし」なるものを作り出した。
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