結婚する男と女は、生まれたときからお互いの小指と小指が、目に見えない「赤い糸」で結ばれているという。この話は、意外に古く「古事記」や「日本書紀」にも出てくるのだ。
その昔、ある未婚の娘が妊娠してしまい、両親が問い詰めると、見知らぬ男が毎晩、部屋に通って来たことを打ち明ける。両親は一計を案じて、寝床の周囲に赤土をまき、相手の衣服のすそに糸を通した針を刺すよう、娘に言い含めた。翌朝、赤い糸は遠く三輪山の神の社まで続き、男が大物主大神であることが判明する。
この話が前述のような言い伝えになったのだ。ほかに、中国の「続幽怪録」に出てくる「赤縄足をつなぐ」という言葉が語源だという説もある。
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