新国立劇場・中ホールのオープニング公演の脚本を手がけたのは 作家の井上ひさし。
彼は、まだかけだしの放送作家だったころ、約1カ月間、無断でNHKに住み込んでいたことがあるという。きっかけは、当時の下宿先だった大学教授の家が改造のため、部屋を1カ月間開けなければならなかったからだ。
毎夜仮眠室に潜り込み、食事は職員食堂、お金がないときは出演者用の仕出し弁当をくすね、大浴場に入り、会長専用のトイレを使用し、新聞、読書は図書室、娯楽面はNHKホールでクラシックから歌謡曲、バラエティーまで見放題、となかなか優雅な暮らしぶりだったらしい。まあ、今みたいな管理社会では無理かもね。
- 井上ひさし「ブラウン監獄の四季」講談社文庫
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