「仙台・筋弛緩剤殺人事件」の裁判が始まった。この裁判が注目されているのは、守大助被告が容疑をすべて否認しており、冤罪の疑いが濃厚だからだ。
准看護士の守大助被告は、仙台市泉区の北陵クリニックで、筋弛緩剤を混入した点滴液を5人の患者に投与したとして、殺人罪1件、殺人未遂罪4件のあわせて5つの罪で起訴されている。現在は、容疑、起訴事実をすべて否認しているものの、取り調べの段階で自白していることも確かだ。人はなぜ、自分がやってもいないことを自白してしまうのか?
「自分に不利なうそ」をつくに至る心のメカニズムを、浜田寿美男「自白の心理学」(岩波新書)が、実例をもとに明快に解き明かしてくれる。必読の書だ。(2001.7.18)
- 浜田寿美男「自白の心理学」岩波新書
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