大宅歩とは-雑学大事典-お


大宅歩


「一億総白痴化」「駅弁大学」「恐妻」など社会現象をとらえた造語が巧みで、マスコミの3冠王と称された名評論家・大宅壮一の一人息子。

大宅壮一には1男4女がいたが、現在マスコミで活躍しているのは4女の大宅映子のみ。一人息子である大宅歩は、中学時代のラグビーのけががもとで、常に死の影におびえながら、1966年に33歳で夭折している。将棋好きだった壮一は、長男にあえて駒の中で一番身分の低い「歩」と名付けたという。

「ある小さな永遠の序奏のために」という叙情的な詩や、「親父よ!」という父親批判の詩など、多くの詩を残している。
- 大宅 歩「ある永遠の序奏」南北社/角川文庫

ある小さな永遠の序奏のために(大宅 歩)

永遠というさだかな 想いを
いつも 心の波間に 浮かべることのできる
そんな 小っぽけな 詩が
たった一つでもいい 書けたならば
私の人生は ただ それだけのために
どんな 孤独を 味わおうと かまやしないんだ

ひとの世なんて だけど 
そんな幼い祈りに似た 決意だけが
意味のない 永遠を 心に感じさせるんだ
だからこそ 書けもせず うたえもせずに
こうして 今宵も 暗い想いの上に 漂流って
生きながらえて いるのじゃないか

「ほら そこに
白雲が
とんでいるよ
この星の夜空に
白い花びら
みたいにね」

こんな 何の変哲もない 自分の ことばを
はるかに くりかえし 凝視めながら
小さく微笑んで 生きてゆくのが
はてしない 永遠の道なんだ
「ねえ、君、
黙って 生きてゆこうよ」

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