長谷川裕「貸本屋のぼくはマンガに夢中だった」(草思社)という本がでた。家業が貸本屋だったおかげで、浴びるようにマンガが読めたといううらやましい話だ。
戦後型貸本屋の発祥の地は神戸市。1948年、宮本兄弟が始めた「ネオ書房」が原点で、またたくまに全国を席巻した。貸本屋には、本の定価分を保証金として預かるタイプと、会員になれば貸料だけで貸し出すタイプの2通りがあった。ネオ書房は後者で、この方式は現在のレンタルビデオ店に受け継がれている。
貸本界の幻の名作といわれた白土三平の「忍者武芸帳・影丸伝」は小学館文庫に、つげ義春の初期の作品は講談社漫画文庫や二見書房の昭和漫画傑作集(サラ文庫)に収録されている。(1999.6.26)
- 長谷川裕「貸本屋のぼくはマンガに夢中だった」草思社
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