就職の時期になると、必ずと言っていいほど「鶏頭となるも牛後となるなかれ」ということわざが出てくる。要するに、無理をして大企業に入って窓際族になるよりも、中小企業でがんばって役員にでもなった方がいい、ということらしい。
しかしちょっと待って欲しい。日本の企業は、大企業から中小企業まで、かなりの企業が同族経営であることが多い。法人会社のうちの実に98%が、税法でいうところの同族会社なのだ。大企業ではそれほど目立たない役員の子女や親類縁者たちも、100人前後の中小企業では周辺にゴロゴロいる計算になる。
鶏頭どころか、下手をすれば鶏後になってしまう可能性の方が高いのだ。それなら、いっそのこと牛後の方が楽かも。
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