小泉内閣の支持率が相変わらず高い。一方で「この2年間、何もしてこなかっただけでなく、むしろ国民負担ばかり増えているのに、なぜだろう?」という声があることも事実だ。
この疑問を解くには、アンデルセンの童話「裸の王様」(原題「皇帝の新しい着物」)を例に取ると分かりやすい。この話は、詐欺師の「この着物はすばらしいものだが、バカには見えない」という言葉に幻惑されて、何も見えないにもかかわらず、周囲からバカだと思われたくない一心で、王様も、取り巻きも、果ては市民までもが「すばらしい」を連発する。周囲の目など気にしない子どもだけが「王様は裸だ!」と叫ぶのである。この「着物」を「構造改革」に置き換えたものが、小泉人気の実態であろう。小泉さんは狡猾にも、涼しい顔をして詐欺師と王様の二役を演じているのである。
そんな小泉さんが自民党の総裁になっても一向に構わないが、首相にだけは絶対になって欲しくない。そのためには、次の総選挙で民主党に投票し、政権交代を実現すればいいだけの話である。(03.09.09)
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