缶詰といえばだいたい円形のものが多いけれど、コンビーフの缶だけは、なぜか四角くて、しかもピラミッドの頭を切ったような形をしている。
19世紀半ば、シカゴの食肉生産業者J.A.ウィルソンは、急速に伸びる肉の需要に目を付けて、新製品を開発した。牛肉の骨や軟骨を取り除き、水分を減らして圧縮した缶詰のコンビーフだ。従来の肉の樽詰より軽いので持ち運びに便利で、しかもそのまま食べられるので、この新製品は急速に普及した。
ウィルソンはこのとき、中身が取り出しやすいようにと、あの珍妙な缶を発明した。この缶は、1875年4月6日に特許登録された。
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