今でこそ国際結婚はそれほど珍しくなくなったが(私の周囲にはたくさんいる)、明治時代となるとまだ希であった。特に、日本女性が外国人と結婚する例はいくつもあったが、日本男性が外国人と結婚する例は少なかった。
日本近代の「国際化」が始まった1873年(明治6年)、国際結婚に関する政府の通達が出た。それによると、国際結婚をする者は政府の許可が必要で、外国人と結婚した女性は日本人の権利を失い、日本人と結婚した外国人女性は日本人になるという、父系的原理で国籍が決められた。
この通達による政府公認の日本男性の国際結婚第1号は、宮崎県出身の三浦十郎さんとドイツ人のK.ゲルストマイエルさん。1874年1月27日、築地の教会でキリスト教式の結婚式を挙げた。
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