インターネット「超」活用法2001【野口悠紀雄著】

「「超」整理法」などで知られる野口悠紀雄教授（今年４月より青山学院大学大学院教授）が待望の最新刊を上梓した。２部構成の本書は、前半部に野口教授の体験的インターネット論、後半部に厳選サイト紹介（生活やビジネスに役立つ約700のサイトガイド）を収録。“便利な特典”として、巻末袋とじのパスワードを公式ホームページに入力すれば、面倒なＵＲＬの入力なしで紹介サイトにアクセスできる点が話題を呼んでいる。

また、星の数でサイトの有用度を表示しているのも特徴だ。ひとりの専門家が明確な基準をもって選定したサイトガイドは他に類書をみない。前半部のインターネット論も、著者ならではの鋭い視点で、正体の見えてこない「ＩＴ革命」の実像に迫る意欲作だ。

著者の野口氏に本書の読みどころとネット初心者へのアドバイスなどを伺った。

「パソコンをマスターしないと、ＩＴ時代に乗り遅れる」と強迫観念にさいなまれている中高年が多いようですが。

（野口）インターネットを使うのは、「義務」ではなく「権利」だということを忘れないで欲しいと思います。こんな便利なものは「使わないテはないから使う」。中高年の方でも、園芸や旅行など趣味に合ったサイトを見つければ、その便利さ、面白さに夢中になって、すぐに使いこなせるようになるはずです

（Ｑ）いまや大抵の情報はインターネットで手に入るといわれますが、欲しい情報になかなかたどりつけないビギナーに何かアドバイスは？

（野口）全世界のインターネットのページ数は、現在30億ページ以上といわれます。この中には、当然、有用なサイトとそうでないものがあります。そのために必要なのがガイドです。本書では、私が日ごろから便利に使っている秘蔵ブックマークに加え、分野ごとに優れたサイトを紹介してあります。公式サイトと合わせて使えば、欲しい情報に最短でたどり着けるはずです。また、本書のサイトガイドは、読むだけでも充分に面白いと思います。「こんな便利なサイトがあるのか」などインターネットの最新動向がこの一冊で把握できるからです。

（Ｑ）インターネットを使いこなすコツは何でしょうか？

（野口）インターネットは万能ではないということを知ることです。インターネットにない情報をいくら探しても無駄です。たとえば、時々刻々と変わる為替レートはインターネットで簡単に調べられます。しかし、「円安になったら日本経済はどうなるか」といった「知識」の部分はインターネットが弱い部分です。これを知っているだけでも、ずいぶん違うはずです。とにかく焦らず、楽しみながら、インターネットを活用していって欲しいと思います。